映画のおすすめ ~僕たちは希望という名の列車に乗った~

 タイトルは『僕たちは希望という名の列車に乗った』(原題は『黙とうする教室』)。舞台は今から60年少し前、米ソ冷戦下の東ドイツ。卒業を控えた高校生による授業中のちょっとした行動が国家への反逆とみなされ、最初に言い出した人間を知らせないと高校の卒業資格を与えないぞ、と脅される。最終的には、国の文部大臣まで登場して決断を迫ってくる。仲間を「売る」のか、首謀者を教えずにエリートの道を捨てるのか(当時のドイツでは、ギムナジウムという高校課程に通えるだけでエリートコースだったし、現在のドイツもそういう傾向はある。卒業資格があれば基本的にどこの大学でも入学できる仕組みである)、選択を迫られるというストーリー。

映画の紹介なのでネタバレになってはいけないのがもどかしいが、歴史や政治に興味のある人にはぜひ見てほしいと思う。「国家」とは何だろうか、「人生の選択」とは何なのか、ということを考えさせられる映画だ。そして、実は家族を描いた映画でもあるので、保護者の皆さんにも是非ご覧いただきたい。5月から息長く上映していて、おそらく今回が最後に近い上映と思われる(9月28日から)。みなさんの行動範囲に上映館があるので、ギリギリのタイミングだが、紹介が間に合ってよかった。


 *12月の初めにレンタル・販売開始になったそうです。ブログを見て、「映画を観に行ったよ!」という声も寄せられました。冬休み、機会があればぜひ見て下さい。


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