忌野清志郎さん
4月21日の校長メッセージで、新聞記事を引用して、こんな時だから「好きな音楽を聴いて、人類には『不要不急』の活動がいかに大事かを再確認しよう」、「(音楽を聴きながら)、自分の気持ちを落ち着かせながら日々過ごすこともまた大事なこと」と皆さんに伝えた。
私が、自分が閉塞感にとらわれている時によく聴く曲に忌野清志郎さんの「Jump」という歌がある。もう亡くなってしばらく経つので、名前の読み方が分からない人もいるだろうか。「いまわのきよしろー」というロック歌手。この「Jump」の1番で「なぜ悲しいニュースばかり TVは言い続ける なぜ悲しい嘘ばかり 俺には聞こえる」と歌い、2番で「何が起こってるのか 誰にもわからない いい事が起こるように ただ願うだけさ」と続く。現在そのものの状況のように感じる。そして、サビのところに「Jump 夜が落ちてくるその前に Jump もう一度高くJumpするよ」という歌詞がある。諦めていないで、最後に悲惨なことになる前に、もう一度やってみようぜ、というメッセージに聞こえて、私はいつも励まされている。歌の力というものを実感するし、今も残っているミュージックビデオを見るとそこにもメッセージが込められているのを強く感じる。
忌野さんは、歌手には珍しく、必要なことにはおかしいと音楽を通じて訴える人だった。その彼の命日は5月2日。まだ58歳という若さだった。私はコアなファンという訳ではないけれど、毎年この季節には彼のことを思い出す。今年はとりわけ、もし忌野さんが生きていたらどんな歌を作っているのだろうか、と思わずにはいられない。