第72回卒業式 在校生送辞
大好きな三年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。まだまだ寒い日も続いていますが、少しずつ色付き始めた足元や風の中に、春を感じるこの暖かな日に、在校生としてお祝いできることを嬉しく思います。在校生代表としてお祝いの言葉を贈らせていただきます。
振り返ってみると、ついこの間まで制限が多くありました。そんな中で、私は三年生の皆さんの、当たり前を疑い・ぶつかってみる姿勢に、とても力をもらいました。
特に印象に残っているのは、生徒総会での活躍です。執行委員という立場上、そのような意見を多く聞いたのかもしれませんが、当たり前に感じることでも「工夫したらもっと楽しくなるのではないか。」と修正案が出ていました。「こうしたら出来る。」という強い姿勢の中には、高校生活を後悔したくない気持ちと、これ以上理由もわからず青春を奪われたくないという気持ちが表れていたように感じました。
今となっては、日常が少しずつ戻り新しくなり、少し過去のように思えますが、困難な状況でも声をあげ、理不尽だと思うことに対して伝え続ける。その時に自分が出来ることを全力でやり、自分たちで楽しくする努力を惜しまない。自分の意見を伝えると同時に、周りを巻き込んで大きな力に変える。仲間がいれば、一人からでもムーブメントが起こせることを、三年生の姿から学びました。そんな三年生の姿を見て、影響を受けることが多かったです。皆さんは私の憧れであり、自慢でもありました。
さて、私たち在校生と、卒業生の皆さんの一番の違いは年齢でしょうか。卒業生のほとんどの人は、18歳。社会的には成人と言われる年齢です。私に投票権はありませんが、皆さんにはあります。親元を離れ、一人で契約をすることもできます。新たな権利と責任ができて、未成年として守られていた世界から、独立することを求められるようになりました。
「社会から求められている自分」と「こうありたいと想像する自分」と、どうもうまくいかない自分と。きっと、私たち“後輩”から見える三年生と、友達に見せる顔と、クラスでの自分と、学校内での自分と、微妙な違いの中で自分を探してきたのではないでしょうか。
しかし、いくら大人になることを社会から求められたとしても、私たちにとって、近いようで追いつかない“先輩”であることは変わりません。学年の壁が薄く、個人として接することができるこの学校で、卒業式は学年をしっかりと感じて、不思議な気持ちになります。
リーダーとしての力を余すことなく発揮していただき、ありがとうございました。等身大の笑顔で、真っ直ぐと向き合ってくれて、ありがとうございました。常識を疑うこと、熱い気持ちがあれば変化を起こせることを教えていただき、ありがとうございました。そして、生徒会の一員として和光を作っていただきありがとうございました。言葉では表せられず、きっと写真にも残せない長い物語の中で、三年生の皆さんに出会えてよかったです。
和光が懐かしくなったら、いつでも戻ってきてください。たくさんの変化していくものの中で、和光の思い出が変わらないものとして、残っていますように。和光で過ごした日々が、温かい灯として心に燃えつづけますように。そして、和光に残された大事なものを変えることなく、でも三年生の皆さんのように、新しいものを追求し、ワクワクする学校にしていきます。改めまして、三年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。またレベルアップした姿でお会いできることを楽しみにしています。今までありがとうございました。
2024年 3月12日
在校生代表 生徒会執行委員長 浦川南海