電子の存在をイメージする ~物理の授業から

電子を見たことがありますか?

放電をみんなで観察

答えはノーだと思います。

でも、私たちは電子という「負の電荷をもつ粒」が存在することを当たり前のように受け入れています。

そして、原子の構造は陽子と中性子の集まりである原子核とその周りを周回している電子によってつくられていることを学習します。

しかし、陽子や電子といった粒の存在が「確からしい」となるには、長い時間がかかりました。さまざまな仮説とそれを実証する実験が繰り返され、ようやく目に見えない粒の存在を「あるかもしれない」から「ある」に変えていったのです。


「見ることができないものを理解するのは難しい。」


「イメージができないから分からない。」


生徒たちの率直な理科の授業に対する感想です。でも、それは電子の存在を明らかにしてきた歴史を考えれば当然のことなのです。ですから、私たち教師はそこを乗り越えるために様々な目に見える現象やモデルを使ってイメージを生徒にもってもらおうと工夫します。


今日は物理室に移動してまずは放電を観察しました。雷の稲妻も放電現象ですね。電子そのものは見えないけれど、空気中を電子が移動したことで生じる光は見ることができます。


次は、みんなで電流を体感。ライデン瓶に電子をたくさんためて、手をつないで回路をつくり端を触ると・・・

プラスチックコップとアルミホイルで簡単につくれるライデン瓶

手をつないで回路になろう!

さあ、スイッチオン!

ライデン瓶に蓄えられた電子が移動を開始すると、私たちの体にある電子も一斉に移動を開始!それが体を流れる電流となって実感できます。もちろん、電子の移動が目に見えるわけではありませんが、これらの現象を通じて電子の姿が少しずつイメージできるようになっていきます。

制作費0円!

教室にもどって、中学校で学習した「オームの法則」を復習。そこでも、「電圧や抵抗のイメージがいまいちわからん!」という声が聞こえてくる。そこで・・・

ピンポン玉を電子に例えて紙でプリントの裏紙をつかって坂道を作成、転がっていくのを邪魔するようにビニールテープで突起をつくります。

そもそも、ピンポン玉が転がる(=電流が流れる)ためには坂にならないといけない、それが電圧。同じ坂の傾きでも、写真の上の方はビニールテープがないからスルスルと転がり落ちていきますが、ビニールテープがある坂はぶつかりながら落ちていきます。
つまり、抵抗が大きいのは下の坂。そして、坂の傾きを大きくすれば転がる速さは大きくなるので、電圧を大きくすると電流も大きくなることがイメージできてきます。

あくまでモデルなので、実際に導線を傾けても電流は流れませんが、こうやって見えない世界を見える化していく中で、物理法則の理解を進めていきたいものです。

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